向き合う相手は、個人と施設の二方向
Hiroki Inc.が向き合う相手は、大きく二つに分かれている。ひとつは終活や整理に悩む個人の依頼者、もうひとつは入居者の暮らしを預かる老人ホームやデイサービスといった施設だ。前者には終活の相談や生前整理・遺品整理を、後者には出張の介護美容を用意している。窓口が分かれていないため、家庭の事情でも施設の運営でも、同じ連絡先から話を始められる。
出張専門という業態も、この二方向を成り立たせている。スタッフが個人宅にも施設にも直接伺うので、動きにくい高齢の方や、外に出づらい状況でも依頼が形になる。訪問前にエリアや内容を確認したい場合は、電話でのやりとりが前提になる。
個人へ向けた終活相談と整理の支援
個人向けの中心は、終活にまつわる相談と整理の支援だ。終活アドバイス・相談は税込5,500円(約50分)から受けられ、「終活とは何か」という段階でも持ち込める。エンディングノートの書き方や活用法、遺言書の作成準備、葬儀やお墓、財産整理まで、扱う範囲は広く、一度に全部を決めなくてよい。何を先にすべきか自分では見えにくい時期に、外部の視点が入るだけで動き出せることがある。
生前整理・遺品整理には、よりそいプランとおまかせプランの二通りがある。少しずつ自分で進めたい場合と、まとめて任せたい場合の双方に対応する形だ。作業を担うのは心理カウンセリングを学んだスタッフで、思い出の品を一点ずつ確かめながら、心の負担を抑えて整理を進める。迷ったものは保留のまま次へ回せる余白も残す。
施設へ向けた福祉ネイルという出張施術
法人・団体に向けた柱は、施設へ出張する福祉ネイルだ。派遣されるのは、代表の武田大輝氏が立ち上げた日本福祉ネイリスト協会が認定・教育した福祉ネイリストで、福祉と美容の両知識をそなえる。爪のお手入れやネイル施術、手元のアロマケアを行い、要介護の方の体調に配慮しながら施術する。対象人数や施設側の要望をもとに内容を個別に詰めるため、規模の大小を問わず段取りを組みやすい。施術の時間が会話やレクリエーションを兼ねる点は、日々の暮らしに変化を持たせたい施設にとって扱いやすい。正直、個人と施設という別々の悩みを一社が受けている構図は、取材していて筋が通っていると感じた。


